まずは、目の前にある「ろくろ」を回せ。完成するのは、それからだ
陶芸家は、完成品までの細かい作業工程を、初めから決めているわけではありません。
ある程度のイメージはありつつも、土をこね、ろくろをまわし、形どっていく中で、土と対話しながら完成させていきます。
つまり、現場において、その時その時の状況によって判断しながら、最高と思われる芸術作品を、仕上げていくのです。
最初から、細部に亘るまでの完成形は、想定しないのです。
ここからは、ある一つのメッセージが浮かび上がります。
びくびくして、一歩も踏み出せない僕に、語りかけてくるメッセージがあります。
まずは、ろくろを回せ!
と。
「こういうのが作りたいな〜」と漠然と思ってばかりでは、
「まだちょっと準備が…」と思ってばかりでは、
いっこうに最高の作品なんか、できやしないのです。
最高の作品は、ろくろをまわし、土と対話をしながらできるものなのです。
ろくろを回さないうちから、「完璧な器ができるかな〜。失敗しないかな〜。」と心配したところで、何も始まらない、ということです。