福祉職にこそ自分史を

僕は、ずいぶん長いこと、福祉職の仕事に就いています。
福祉職の基本は、相手を理解すること。
そして、何に悩んでいるのか、どこにつまずいているのかを見立てて、
社会資源を活用しながら、
当事者の課題解決に向けて歩みを進めていきます。
相手を理解するために欠かせないのが、「育成歴」です。
生まれてこの方、どのように生きてこられたのかを把握するのが、出発点です。
だから、じっくりと育成歴に向き合って、
相手の人となりを確認します。
育成歴と言えば、過去のことですが、
一度付き合い出したら、
日々のこともまた、相手を理解するための材料として、
じっくり向き合います。
このように
福祉職として、相手を理解するために、育成歴を読み込む
ということを、当たり前にやっているのです。
でも一方で、
自分自身のことをないがしろにして、
相手のために尽くす状態が日常化しています。
そうすると、
いったいなんのために働いているのか、
分からなくなってしまいます。
だからこそ、僕は言いたいのです。
相手の歴史にばっかり付き合っていないで、
自分自身の歴史にも向き合おう。
自分の人生も大切にしよう。
と。
福祉職の方々に、
自分史を広げていきたいな、と思っています。