発達障害と定型発達 社会文化によって変わる<発達障害>
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発達障害という考え方の前提には、定型発達という概念があります。
定型発達とは、標準的な発達の進み方や程度のことです。
定型発達を、円形で表してみます。
![](https://bigyesdays.com/wp-content/uploads/2018/01/img_3075-300x300.jpg)
次に、発達のどこかに、何らかの遅れや偏りがある場合を、
でこぼこした円で表してみます。
![](https://bigyesdays.com/wp-content/uploads/2018/01/img_3076-300x300.jpg)
この定型発達とデコボコ発達を重ね合わせるとどうなるでしょうか。
![](https://bigyesdays.com/wp-content/uploads/2018/01/img_3077-300x300.jpg)
こうなりますね。
2つの図に、ズレがある部分を色分けしてみます。
![](https://bigyesdays.com/wp-content/uploads/2018/01/img_3078-300x300.jpg)
![](https://bigyesdays.com/wp-content/uploads/2018/01/img_3079-300x300.jpg)
このように、でっぱりひっこみがあるわけです。
でっぱった部分は、一般的な人より得意なところ。
ひっこんだ部分は、一般的な人より苦手なところ。
ということになります。
でっぱった部分が問題になることは、あまりありません。
ひっこんだ部分が、時に問題を発生させます。
発達障害の発生
では、ひっこんだ部分がそのまま発達障害となるかと言えば、
そうではありません。
発達障害とは、
「生活上につまづきがあるかどうか」
で判断されるからです。
同じ人でも、
環境によって、発達障害かどうかが影響されるんですね。
例えば、定型発達の図を、
このように分けて書いてみます。
人は、いろいろな要素で構成されていますが、
仮に、「慣習」「ものづくり」「サービス」「コミュニケーション」
と書きました。
ここに、でこぼこ発達の図を組み合わせると、
こうなります。
得意な部分がどこであり、
不得意な部分がどこであるかが、
分かってきます。
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時代によって変わる発達障害
発達障害とは、
「生活上のつまづき」が顕著になって、
初めて診断(判断)されます。
生活上のつまづきは、
時代によって変わってくるんですよね。
先ほどの図で言えば、
「慣習」「ものづくり」を、どれだけ身に付けたかが一人前と言われるための重要な要素の時代と
「サービス」「コミュニケーション」を、どれだけ身に付けたかが一人前と言われるための重要な要素の時代と。
前者は、第一次産業(農蓄林漁業等)が盛んな時代によくあります。
後者は、第三次産業(サービス業)が盛んな時代によくあるのです。
![](https://bigyesdays.com/wp-content/uploads/2018/01/img_3084-300x300.jpg)
同じ「でこぼこ発達」でも、
慣習やものづくりが重要な時代では、
得意な部分を活かせることがあります。
ものすごい技能を発揮して、活躍するかもしれません。
![](https://bigyesdays.com/wp-content/uploads/2018/01/img_3085-300x300.jpg)
でも、同じ人が「サービス」や「コミュニケーション」重視の時代に生まれると、
不得意な部分がすごく目立ってしまいます。
不得意な部分が目立つと、
発達障害と見なされる可能性が高くなりますね。
発達障害とは、社会性のつまづき。
つまり、対人関係において生活上の困難がある状態です。
「定型発達(一人前)における対人関係のウェイトが大きくなり、
以前では問題にならなかった人でも、問題視されるようになってきた。」
そのような時代背景があるのではないかと思います。
さいごに
発達障害の原因は、いろいろな説が言われています。
現状では、物理的な要因が見つかっているわけではなく、
あくまでも行動状態から判断する診断となっています。
「この状態だと、発達障害だよな」
と判断されるのです。
社会的診断と言われます。
その線引きは、必ずしも明確ではないのです。
ということを念頭においておくだけでも、
発達障害が、それほど特別なことではない。
けっこう身近なことに感じられるのではないでしょうか。