福祉事業も展開できる、コミュニティカフェの可能性

以前、たまたま訪れたコミュニティカフェに、「幸茶店(こうさてん)」というところがあります。(埼玉県鴻巣市)
コミュニティカフェ幸茶店のブログ
コミュニティカフェということで、飲食の提供だけでなく、コミュニティのニーズに合わせた多様な事業も展開していました。
地域の活動との結びつき
まずは、店頭では地域の無農薬作物を、委託販売。
野菜やお米が売っていたのですが、僕は前から興味のあったアイガモ農法のお米を買いました。
地域の住民が主催のイベントも、数々やっております。
歌、楽器、絵本など、近隣住民が、得意なことでイベントを開いています。いいですね。
そのほか、店内には、「不用品交換コーナー」みたいな掲示板もありました。
普通のカフェにはないですよね〜
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福祉事業の展開
一般的なカフェとの大きな違いは、福祉事業を展開しているというところです。
幸茶店では、なんと4種類の事業があります。
・福祉有償運送
自力で電車やタクシーがなかなか利用できないお年寄りや障害者が、外出をする時に利用できます。
幸茶店の車での移動に付き添う形で、お手伝いしてもらえます。
「外出する目的は問わない」というところが優れています。
生活サポート
障害者に対して、一時預かりをしたり、移送をしたり、スタッフを派遣したりします。
実は、僕が幸茶店に寄った時、たまたま障害者の方が店内で、スタッフと一対一で過ごしているところでした。一時預かり中だったということですね。
寺子屋
学校の授業には、なかなかついていけない。勉強を楽しめないという子はけっこういます。
それで「勉強が嫌だ」ということで、荒れてしまったり、学校に行けなくなってしまったりします。
でも本当は、勉強が嫌なわけじゃなくて、分からないだけかもしれないんですね。
だから、子ども一人一人に沿って丁寧に教えることで、勉強が好きになってくれるかもしれません。
寺子屋という事業では、どんな子でも、「考える力」が身につくような支援をしています。
暮らし支え合い
日常生活において、ちょっと困ったことを、「助けて欲しい人」と「助けてあげたい人」を、つなぐ仕組みです。
行政の力に頼らずとも、地域のことは、地域で解決する。そのつながりは、いざという時にも力を発揮すると思います。
以上の4つが、福祉事業です。
安定した指定福祉事業か、不安定だけどソーシャルなビジネスか
国が指定した福祉事業(介護保険や障害者自立支援法など)だと、スタッフが何人も雇えるくらいの安定した報酬が見込めます。その代わり、事業の使途は制限が厳しく、やらなければいけないこと、やってはいけないこともかなり決められています。
幸茶店のようなソーシャルビジネスは、普通のカフェとしてお客さんが来ないと収入はありませんし、市からの委託事業だとしても報酬は低めです。その代わり、やりたいことを柔軟に展開できます。
ある程度リスクを背負いつつも、市独自の福祉事業を受託したり、柔軟なコミュニティビジネスを運営したい場合は、コミュニティカフェっていう形態もいいな、と思いました。