【福祉コンサルレポ】 入所施設でシフト勤務する〈ひろひこさん〉にとっての、タスク管理
僕は、〈福祉現場の時間を豊かにするため〉に、福祉職の方に協力してもらい、タスクコンサルをさせていただいています。
おとといから3日間、コンサルティングの成果の途中経過として、コンサルを受けている方のレポートをブログに残しております。
本日は、最後の一人、ひろひこさんのレポートです。
ひろひこさんは、入所施設の現場職員です。
シフト勤務なので、基本的には早番、遅番、夜勤があります。
対職員に関するマネジメント力は抜群で、問題を大きくせずに課題を解決へ導くことができます。中堅であり、チームワークの向上を常に探っています。
ただ、スケジュール管理に苦手意識があり、日々の仕事と同時並行に、中長期的な仕事をどのようにこなすか苦労しています。
福祉現場では、突発的にいろいろなことが起きるため、大小の様々なことが漏れてしまうことも、非常に気にしています。
直接支援の現場でありながらタスク管理するためには、どのようなツールが最もフィットするのか。
それを探るのが、当面の目標です。
■ 「やるべきこと」を常に意識して仕事に取り組むようになった
タスク管理では、時間は有限であることを非常に意識します。
有限であるからこそ、なすべきことが絞り込まれ、「やるべきこと」がはっきりしてきます。
入所施設のような、日々のルーチンが大半を占める福祉現場では、「いつもと同じことを、いつも通りにこなして終わり」という意識になることもあります。
「いつもと変わらない平穏な日々を利用者に送っていただくこと」はある意味重要なのですが、職員の意識が「その日1日だけの決まったことをこなしさえすればよい」というものでは困ります。
社会が変わるからニーズも変わり、福祉施設やそこで働く職員も、ニーズに合わせて変わるのが当然です。
福祉施設としてやるべきことと、日々の平穏のためにやるべきことを、うまくリンクしていただきたいと思います。
そのためには、日々の目の前のルーチンに追われながらも、中長期的な目標も一歩ずつ進めるタスク管理が、有効です。
■ わからなければリストがある
突発的なことに対応していると、「次に何をやればいいのか」を見失いがちです。
しかし、タスク管理では「次にやることリスト」を書き出してあるので、たとえ忘れてしまってもリストを見ればすぐ分かるようになります。
僕のブログでは、メインリストとか、スタンバイリストと呼んでいるものです。
忘れるたびにいちいち思い出すというのはストレスですし、時間ももったいないです。必ず思い出せるとも限りません。
ストレスが減り、時間が節約でき、漏れがなくなれば、現場はそれだけ豊かになりますよね。
■ 少しの空き時間も有効に使おうという意識が高まってきた
以前であれば、少しの空き時間に、ぼんやりと「なにしようかな~」と考えていたかもしれません。雑談をしていたかもしれません。
ぼんやりしたり、雑談をしたりするのは、けして悪い面ばかりではないし、雑談は推奨したい気持ちすらあります。
でも、やるべきことがあるのにそれに手を付けないでいるのは、デメリットが大きいものです。
タスク管理では、やるべきことを細かくし、3分、5分でも終わらせる単位まで細分化しておきます。
そうすることで、ちょっとした空き時間でも、やるべきことを前進させられるのです。
「スキマ時間でちょっとずつ進めていたら、いつも間にか終わっていた。」というのが、一つの理想の形ですし、快感でもあります。
福祉現場という環境で、スマホを触ることにはまだまだ抵抗があります。
とてもじゃないけど、タブレットが導入されているわけではありません。
つまり、昔ながらのメモ帳やペンくらいしか、現場では使えないのです。
(理由があって禁止されているわけではなく、まだ福祉現場でスマホを使うことに不信感や違和感が強い状況)
その状況で、いかにタスク管理を組み立てられるのか。
そこにつまづきました。
メモ用紙やペンでもうまくいく、タスク管理システムの構築に期待されます。
今は、現場から離れられる少ない時間でiPhoneを使い、タスク管理をしています。
使っているアプリは、「wunderlist」
書き出した後に、分野ごとに分けることができる。
細分化もできるし、進行状況も見やすい。
そういったところが気に入ったようです。無料ですし。
その他にも、標準カレンダーに予定を入れ、アラーム機能も使っています。
カレンダーとWunderlistに、二重に打ち込むことにストレスがあり、それが解消できるアプリがないか探しているところです。
福祉職場にとって、シフト勤務職員は、もっとも数が多いでしょう。
だからこそ、ひろひこさんのタスク管理の試みは、非常に幅広く参考にされることが期待されます。
今年度1年間、一緒に頑張りたいと思います。