社会的養護で育った子のことを考えて、やっぱり生産から販売までのトータルな仕組みをプロデュースしたいと思った
社会的養護の中で育つ子には、コミュニケーションが苦手な子が多いのではないかと思っています。
というのも、何らかの事情で家庭で育つことができなかったため、特定の重要な大人との愛着関係が育まれきれずに、対人不安があったり、場合によっては対人恐怖・対人不信があったりするのではないかと思うからです。
虐待を受けた子だと、特に不安感が大きいでしょう。
人と接するときに、基本的に相手に対して不信や疑いを持つと、和やかな人間関係を築くことは難しくなります。
そして、人と接しているときは緊張状態が続くため、疲れてしまいます。
人と一緒にいたいのに、人と一緒にいると疲れてしまう。
その葛藤状態から、「自分を見て欲しい!」と言いながら、人の嫌がることをする、という、傍目から見ては不可解な行動に出ることがあり、結果として人を遠ざけてしまいます。
悲しいことです。
社会的養護で育った子が、就職活動する時に難しくなるのが、こういった対人関係だと思います。
たぶん、人を相手にする仕事よりも、物を相手にする仕事。つまり、物流や農・漁・畜産業や工業など、第一次・二次産業の方が、向いているのでしょう。
あるいは、第一次・二次産業で働く中で、対人関係も学んでいくというプロセスが必要なのかもしれません。
しかし現在は、第3次産業が隆盛で、対人関係が主体のサービス業が大半を占めています。
これでは、そもそも入口が狭すぎるし、無理して就職してもすぐにドロップアウトしてしまいます。
泳げないのに、急流に飛び込んだら、溺れてしまいますよね。
そういった意味でも、僕は第一次・二次産業を、自分の手で作り出したいし、第三次産業までもつなげて、生産から消費までをトータルにプロデュースする中で、多様な人々を「人財」として輝いてもらいたいと思っています。