青少年の居場所づくりは、多世代で多職種なまちづくりを目指す
「若者がコンビニにたむろして・・・」
「中学生なのに、学校も行かずひきこもって・・・」
子どもや若者を批判することは、簡単です。
リスクも少ない。
じゃあ、行き場のない子たちに、居場所を保障してあげるのは、大人の役割じゃないのか。
「保障してあげる」なんてまた上から目線で、ちょっと違うんだけどね。選ぶのは本人だから。
そう考えたとたん、非常に難しくなる。
行き場を失った子ども・青少年に、選んでもらえる居場所をつくるって、大変なことだから。
だからやらないんじゃなくて、やっぱり大人の責任としてつくりたいとは思う。
先日、「横浜・青少年の居場所・地域活動拠点連絡会」が開催されたので、参加しました。
そこで学んだ、居場所づくりに重要な2つの要素を書きたいと思います。
相談する側って、
年が近いから
ってだけで、すごく話しやすくなることがあります。
今回も、そのようなレポートが複数ありました。
どんなにコミュニケーションスキルを磨いて、支援技術を積み重ねても、「年が近いから」ってだけで選ばれたり選ばれなかったりするのは、悲しいものがありますよね。
でも、しょうがない。そういうもんなんだから。
もちろん、課題を解決するために、支援技術を高めるのは切実に必要なのですが。
逆に、年が離れているからこそ、話したいこともあると思います。
同じように、性別も、同じだったり、違ったりした方が、話しやすいことって、絶対ありますよね。
つまり、居場所には、年齢も性別も、バラバラな人がいたほうが、 話すきっかけをつかみやすいっていうことです。
まあ、福祉現場は人手不足で、募集をかけても応募が来ない状態なので、年齢だとか性別だとか、あまり選んでいられないんですよね。
でも、スタッフの年齢層や性別が偏っているよりは、バラバラな方がいいってことは、念頭に置いておいていいと思います。
相談したい人が相談したい相手って、「専門家」である必要はないんですよね。
ピンポイントで知りたいことを教えてくれるのは専門家だろうけど、普段の細やかな困りごとを話したいと思える人って、もっと身近で、相性のいい人じゃないかな。
これまた、専門性を磨いている人にはがっかりなことだけど、人には相性ってのがあって、それで寄るか離れるかが、大きく左右されちゃう。
専門性を磨けば、その相性の幅を広げたり、壁を乗り越えたりできると思うので、どんどん磨いてほしいですけど。
さきほどの、年齢や性別もそうだけど、相性のことも含めて、専門機関が一つだけでは、けして受け止めきれないんです。
結局、地域のどこかに、自分のことを受け止めてくれる人がいる。
そういう状態になればいいな、と思っています。
特別に「居場所」という名前の場所じゃなくても、受け止めてくれる人がいれば、そこが心地よい居場所となる。
大きな困難を解決するためには、専門機関は必要です。
でも、身近な地域に、多世代で多職種のいろんな人やお店があって、なにかの拍子につながって、居場所となればいいな、と思います。
う~ん、ちと夢物語ですかね。
そういう意味で、個人商店というは、「いつもの場所に、いつもの人がいる」という特徴があるので、居場所としてはとても魅力じゃないかと思います。
変わらない場所に、変わらない人、というのは、安心感ですよね。
だから、個人商店の連なった、商店街というのは、なかなかな魅力だと思います。
大規模福祉施設や大規模病院がどんどん解体され、地域福祉の時代と呼ばれて久しくなりました。
「これからは、小規模多機能施設の時代だ」なんて思ったりしましたが、さらに進むと、「多様な個人事業主の、地域連携(まちづくり)の時代」なんてことになるのでしょうか。
いろんなところで、いろんな若者を受け止めてくれるといいのですが。
それをできるのは事業主次第でしょうから、大企業ばかり有利になるのではなく、多様な事業主が生まれ、やっていける仕組みづくりもしなきゃな。