連携は、コミュニケーションコストがかかる。リソースマネジメントをしよう
このブログでは、職場における連携や配慮について書くことが度々あります。
その多くは、「もっと連携しよう」「もっと配慮しよう」というものです。
しかし、「連携=いいこと」と単純にとらえるのは、間違いだと思っています。
“プロジェクトを進めるに当たっては、チームが協力して同じ課題に取り組む必要があるが、これを実現するには調整のためのコストがかかる。 -ブルックスの法則 ”
引用 Wikipedia
連携するための人が増えれば増えるほど、報告・連絡・相談などの調整業務が発生します。
それが、コミュニケーションコストです。
顔を合わせる会議をすれば、移動にも時間がかかります。
ものごとを成し遂げるためのリソース。
つまり、人・もの・金は、有限です。
有限なリソースを使って、最大限の効果をもたらすのが理想です。
連携すれば、それだけリソースを消費します。
他に回せる分が少なくなります。
どこかで不利益が生じるのです。
どこかで生じる不利益を考えても、連携する必要があるのか、という課題がセットになります。
福祉の世界では、どんどん連携しようという話になりがちです。
そして、福祉で働く人間が、金とか時間とか気にするのは、不届きものだという考え方もあります。
僕は、給料が安くても、残業が多くても、休みが取れなくても、フットワークを軽くして飛び回る人を、尊敬します。
でも、それを福祉業界の基本的な働き方として肯定することはできません。
近頃の福祉施策は、コミュニケーションコストなんて考えていません。
高齢者福祉でも、障害福祉でも、児童福祉でも、「地域での協議会」を求めます。
でも、協議会を開き、参加することに対して、報酬は出ません。
社会福祉法人は、社会貢献活動を義務化する動きもあり、これって、「福祉で働く人間なら、報酬を考えずに動き回れ」ってことですよね。
社会福祉法人は貢献活動を 来年央までに義務化提言 - 47NEWS(よんななニュース)
あたかも、リソースが無限にあるかのようじゃないですか。
社会福祉は、報酬とは無縁な活動から進化を遂げてきた。
これも、事実。
リソースを気にしないで心血を注いできた方々に、敬意。
コミュニケーション不足が、問題を起こす。
これも、事実。
コストをかける意味は、確実にあります。
でもね、持続的な仕組みは、安定したリソースがあってこそなんですよ。
リソースを無駄に使わず、挑むべきことに挑む。
そのためのツールと、マネジメントが大事なんだよな~。
福祉事業所におけるリソースマネジメント。
個人におけるタスクマネジメント。
福祉の発展のため、このへんに力を入れてもいいと思う。