発達障害児の問題行動をなくすためには、叱るよりも、意図的な無視をする

発達障害児の問題行動をなくすためには、叱るよりも、意図的な無視をする

発達障害のある子は、汚い言葉を連発することがよくあります。

うちの子も、

う◯ち、う◯ち!

とよく言ってしまいます。

 

そういう言葉づかいは、やめさせたいですよね。

「やめなさい!」なんて叱りたくなります。

 

でも、叱っても意味がないどころか、

かえってその行為を増強する結果にもなり得るのです。

 

汚い言葉は、仲間入りする手段

発達障害のある子は、

相手の気持ちを察したり、

ルールを理解したりするのが、

難しいです。

 

だから、

友達と一緒に遊ぶことが、

しばしば難しくなります。

 

それでもやはり友達とは遊びたい。

自分も輪の中に入りたい。

 

そう思った時に使うのが、

汚い言葉なのです。

 

う◯こ!ちん◯◯!

と言えば、とりあえず友達は笑ってくれます。

「何言ってんだよ、おまえ〜!」

なんて相手にもしてくれます。

それがとても嬉しいのです。

 

親に対しても同様なことが起こります。

 

親の気を引きたいと思った時、

自分も見て欲しいと思った時、

わざわざ汚い言葉や、叱られることをやります。

 

そこで、「やめなさい!」「何やってんの!」

と叱ったら、

子どもにとっては成功です。

 

親が自分の方を見てくれたからです。

 

たとえ叱られたとしても、

自分の方を見てくれることが嬉しいのです。

 

問題行動をする

→親が自分を見てくれる

→また同じことをする

という連鎖反応が続いて、

問題行動が頻発します。

 

しかもタチの悪いことに、

叱られて嫌な気持ちになったことは残りますから、

嬉しいけど、嫌だ。

親が好きだけど、嫌い。

そういった葛藤を抱えることになるので、

人間関係がこじれ、二次障害を発生させかねません。

友達との間でも、同じです。

 

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問題行動は、無視する

では、どうすればいいかというと、

一つの方法として、

意図的な無視

というものがあります。

 

注目されるのが嬉しくて問題行動を繰り返すのですから、

注目しなければいいのです。

 

意図的に無視をすることで行動化を防ぎます。

 

無視することは、

親としてもつらいです。

叱りたくなる感情を抑える必要もあります。

周りの好奇な目に耐える場面もあります。

それでも、反応をしないと決めるのです。

 

一番大事なのは、安心してもらうこと

一方、無視していればいいかというと、

それは違います。

 

子どもは注目をされたいのです。

自分を見て欲しいのです。

そこを満たさずに問題行動だけを無くそうとしても、

絶対にうまくいきません。

 

一つの問題行動がおさまったとしても、

また別の形で、不満を出すことでしょう。

 

だから、意図的な無視をするのと合わせて大事なのが、

子どもを安心させることです。

 

「あ、自分のことを見てくれている。考えてくれている。」

と安心してもらうことです。

 

療育センターで先生がしていた場面

息子が通っていた療育センターで、

意図的な無視と、肯定的な関わりとを、目の当たりにしたことがあります。

先生が点呼する際、

名前を呼ばれた息子が、

「う◯こ」

と返事をしたのです(苦笑!)

 

その時先生は、

何の反応もせずに、

次の課題に移っていきました。

な〜〜〜〜んの反応もせずです。

それはそれはクールな対応でした。

 

はた目から見たら、

「そりゃ、『う◯こ』はいい発言じゃない。

でも対応が冷たすぎない!?」

と思われても仕方がないくらいクールでした。

 

でも僕がその先生への信頼を高めたのは、

次の瞬間です。

 

先生が

「今日は、この紙を使いますよ〜。何をするのかな〜」

と言った時、息子が

「ちょきちょき切るんでしょ!?」

と答えました。

 

先生はすぐさま

「そうそう!

◯◯くん、すごいじゃん!よく分かったね〜〜!!」

と恥ずかしくなるくらいのベタ褒め。

 

不適切な行動には、クールな対応をするけど、

いい行動には、大げさなくらい褒めて、子どもの行動を認めてあげるのです。

子どもの気持ちを満たしてあげるのです。

 

このやりとりを応用行動分析にあてはめると

不適切行動→意図的な無視→注目を得られずつまらない→やらなくなる(消去)

適切な行動→ベタ褒め→嬉しくてまたやりたくなる(積極的強化)

となります。

 

僕はこの先生のやりとりを見たとき、

専門性が高くて、いい先生だな〜と思いました。

 

さいごに

子どもの問題行動に対して、

叱るということが、

必ずしもいい結果には結びつきません。

 

子どものことをよくみて、

よく褒め、

気持ちを満たした上で、

意図的な無視などの、クールな対応もしてみましょう。

 

とくまる
公務員タスク管理の人
「自分のペース」と「安心感」で、自分らしい仕事をしよう!
うまく仕事ができずに悩んだ20代。
タスクシュートを中心としたタスク管理を始めてから、自治体独自の制度創設メンバーに抜てき、主任の昇任試験に合格。
制約の多い公務員のためのタスク管理を研究中。
愛用はTaskChute2。
自分史/発達障害/子育てパパ
※発信は所属する組織とは関係なく、個人の見解です。