調整業務・ケアマネジメント・計画相談は、時間がかかるのだ
仕事では、調整業務が主体です。
関係者、関係機関の希望や都合や意見をすり合わせ、最適解を見つけていく仕事です。
最近の福祉では、「ケアマネジメント」や「計画相談」といった仕事に近いかな、と思います。
調整業務は、思った以上に時間がかかります。
関係者の中では、現状理解や解決力や価値観がバラバラなのですが、それをとりまとめていくのです。
まずもって自分が現状をよく把握し、簡潔にまとめ、周知しなければなりません。
そして、いろんな人の意見や動ける範囲を調整し、最適解をみつけるのです。
関係する人数が多ければ多いほど、調整に費やす時間が多くなるのですが、そこは見落としがちなんですね。
僕もよく見積もりを甘くしてしまい、想定したより2倍も3倍も時間がかかってしまうことがあります。
「電話して、ちゃっちゃと意見まとめればいいから」
なんて思っていると、ダメですね。
だって、福祉は当事者のかけがえのない生活を支えるものですし、息の長い付き合いなので、丁寧に考え、意見をすり合わせないと、思いもよらないところで生活が崩れてしまいます。
最初にがっつり関係者をまとめあげれば、のちのち多少の想定外があっても、関係者同士でなんとかやりくりしていけるものです。
だから、特に初動のあたりは時間をかけたいですし、かかりますね。
だから、新規相談が入った時とか、状況が大きく動いた時とか、調整役には充分な時間を確保する必要があります。
余計な雑務とか、価値の低いこととか、後回しにすればいいこととか、タイミングを見て仕事をふるようにするといいです。
あるいは、調整役の本人が、突発的な仕事に振り回されずに、きちんと先送りできるようにするのがいいですね。
また、情報共有や意見収集には、情報整理ツールを使うことで、劇的に楽になります。
言わずと知れた「Word」だって、使いようによっては立派な情報整理ツールですし、他にもいろんなソフトやアプリケーション、ウェブサービスがたくさんあります。
それらを組織的に導入したり、使い方をマスターさせることによって、かなりの時間を節約できます。
調整業務にとって大事なのは、関係者の思いを汲み取り、考え抜いて落としどころを見つけ、みんなが納得し、人が動くようにすることですから、そこにはできるだけ多くの時間を割きたいです。非常に価値の高い仕事です。
だけど、一斉メールで済むのに電話で捕まえないといけないとか、コピペすればいいのに手書きで書くとか、以前使ったものをそのまま使えばいいのに一から作り直すとか、スキマ時間で済むのに机に座らないとできないとか、あの資料はどこへいった、あの物品はどこにしまった…まあ、ヘタに時間をかけていることはたくさんありますね。
対人援助技術には長けていても、情報整理技術に劣ると、価値の低いことに時間が取られ、非常にもったいないことです。
これは本当にもったいない。
外部から人を招いてでも、情報整理ツールは導入してもよいと思います。
対人関係というアナログ重視の世界にどっぷり浸かったままトップになった人ほど、デジタルを軽視したり、蔑視したり、無視したりして導入できないので、現場が困らないように価値観を変えていただきたいです。
デジタルは、情緒豊かなアナログを支え得るものですから。
住み慣れた街で、住み慣れた家で生き続けるには、いろんな人の支え合いがないと、実現できません。
ゆとりのある支え合いを実現するために、調整業務・ケアマネジメント・計画相談を担う人は、 時間をかけるべきところに時間をかけていただきたいと思います。