重度の知的障害をもつ方が、布団を破くので、どうしよう
重度の知的障害をもつ松本君は、ものを破きたがります。
Tシャツ、布団、壁紙、いろいろと破きます。
特に最近は、布団を破くのが頻繁で、もう買い替えが難しくなってきています。
でも、布団のふかふかした感触が好きなようでもあり、すぐに布団を押入れから出してしまいます。
さあ、どうしたものか。
布団のふかふかが好きなのであれば、他のふかふかしたもので満足できないかな?
タオルケットとか
毛布とか
座布団とか
そういう、破けても金銭的な負担が少ないもので代えられると、助かります。
いろいろ提供してみましょう。
破くことが好きならば、破いてもいいものを好きなだけ部屋に置くのはどうかな。
Tシャツや布団や壁紙は、破かれたらちょっと困っちゃう。
でも、古布だったらいくら破いてもいいし。
新聞紙とか、雑誌とか、段ボールとかだったら、いくらでもある。
そういう、破いてもいいものを好きなだけ破いて満足してもらえたら、破かれて困るものに気が向かないかもしれないですね。
本人も満足だし、周囲も困らない。
でも、破くことがこだわりになって拡がっちゃって、さらに何でもやぶくようになってしまったらまずいです。
それが怖いから、破いてもいいものを好きなだけ部屋に置くのは、躊躇しちゃうんですよね。
あと、破くのが好きかどうかも検証してみる必要があります。
短絡的に、破くことが“好き”とか、“やぶくことがこだわり”とか、思ってしまいます。
でも、どこかほつれがあったら、そこが気になって破いてしまうのではないか?
好きとかこだわりとかではなく、ほつれが嫌で、ほつれを無くすためにはびりびりにするしかない、とか。
あるいは、お腹が空いた時のアピールなんじゃないのか?のどが渇いたんじゃないのか?
つまり、意思表示としてやっている可能性もあります。
そのように、「なぜ、それをしているのだろう?」という疑問を、いろんな視点から考えないと、うまくやっていけません。
うまくいかないのは、本人のせいじゃなく、支援者の力量次第になります。
がんばりましょう。