少年法の改正に、期待される〈復讐〉と〈更生〉

少年法に改変があり、刑の上限が伸びることになったようです。
現行の少年法は18歳未満の少年が無期懲役に相当する事件を起こした場合、10~15年の有期刑に減刑できると定めているが、改正案ではこの最長年数を20年に変更。また「5年以上10年以下」などと刑期に一定の幅を持たせて科す不定期刑も、上限として設定できる最長年数を10年から15年に延ばす。
時事ドットコム:少年犯罪、厳罰化=更生へ国費弁護士拡大-政府
※少年とは、20歳未満の者。(少年法)
復讐
少年に対する刑の執行に対して、僕らが期待することは何でしょうか。
1つは、復讐心を満たしてもらうことです。
被害に遭ったことによる、憎しみ。
被害が大きく、深いほどに憎しみも大きく、復讐を望みます。
復讐をしたくても、現在は、国家により、私刑が禁止されています。
かつては、かたき討ちとして認められていた、というか、かたきを討つことが一種の美徳でもありました。
近代国家では、代わりに、国家が裁くことになるのです。
代わりと言っても、「違法」というかたちですが。
この点から言うと、少年であれ、刑が重くできるようになったことは、良かったと思えるのでしょう。
復讐して、苦しませたい、できれば殺したい、という気持ちが、被害者にはある。
その気持ちは、分かる気がします。
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更生
もう一方で、刑罰に期待することは、更生です。
自分の過ちを認め、罪を自覚し、償いをする。そして、まっとうな人間になって、かつての罪を忘れずに、社会の中で生きていってほしい、と。
この点から言うと、ただ厳罰化するだけでは、期待する効果を得られません。むしろ、刑を長期化することで、更生の機会を逃すことになるかもしれないのです。
善悪とはなにか。
罪となはにか。
償いとはなにか。
罪を背負って生きるとはどういうことか。
これらを身に付けることは非常に難しい点であります。
教える方だって、難しいんですよ。実は。
加害者もまたどこかで被害者であることは往々にしてあることで、加害者ではあるけれど、まずは被害者としか言いようのない生育環境に対して、救いをもたらさないとどうにもならないこともあります。
「2度と、こんなことはしない」
そう思ってもらうために、やらなければならないことはたくさんあります。
不幸にも、犯罪を犯さざるを得なかった人。
そういう人生は非常に悲しいことで、特に僕は、児童福祉の観点から、力になりたいと思っています。