〈社会性(表現)の拙さ〉と、〈短歌〉の相性が、きっといいだろうとピンときたときの話

ある定時制高校で、短歌を詠む試みが、とてもうまくいったと本に書いてありました。

「あぁ、そうかもな。」とすぐに思いました。

 

 

育ち

定時制高校には、もちろん全員ではないですが、育ちの支え手が少ない状態で育った子が、けっこういるのではないかと思います。

育ちは、社会の一員になる過程ですから、それを支えてもらえないと、社会性が培われない部分が出てきます。
育ちは、育つ側(子ども)の力と、育てる側(社会)の力との、積み重ねの結果ですのね。

社会性とは目に見えなくて、曖昧で、空気によって、時代によって変わりもするので、置かれた状況を察して、場に適した振る舞いをすることは、実は難しい所作です。

時代の求める社会人像が高度になればなるほど、空気の読めない・遅れてる(と見なされる)人は増えます。
育てる側の力が、貧困や孤立などにより弱ければ、育ちも弱くなってしまいます。

そのような環境で、容易に認められず、生きにくく育っているので、ある程度パターン化された生活に、安堵を覚えることがあります。
パターン化されていれば、先が読みやすかったり、正解が分かりやすかったりするからです。

 

 

短歌

短歌は、何も難しくない、31文字だけの歌です。

5 7 5 7 7

の文字数だけが用意されています。
ある意味、非常に単純なパターンです。

それでいて、心情はけっこう現せられるものです。絶妙にも。

あえて、短歌を詠うコツを言うとすれば、一つしかありません。

思ふこと 思ふがままに 言ふてみむ
歌の調べに なるもならずも

これは、明治天皇の御製です。天皇の詠んだ短歌を、御製と言います。

短歌の心得を見事に歌い込んでいますね。
思うがままに言ってみよう、歌になるよ。
、と。

5 7 5 7 7の、31文字に思いをのせる。
太古の昔より続く、この絶妙なリズム、絶妙な規則。

表現のちょっと苦手な子に、短歌を詠んでみてもらう価値はありでしょうね。

おまけ

最後に、僕の好きな短歌をいくつかご紹介します。

山上憶良
銀(しろがね)も  金(くがね)も玉も  何せむに
勝れる宝  子にしかめやも

源実朝
時により  すぐれば民の  なげきなり
八大竜王  雨やめたまえ

昭和天皇
四方(よも)の海  みなはらからと
思ふ世に など波風の たちさわぐらむ

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